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品質設計開発学分野│京都大学 大学院 農学研究科 農学専攻

Laboratory of Food Quality Design and Development Division of Agronomy and Horticultural Science Graduate School of Agriculture, Kyoto University

研究テーマ

作物における鉄の獲得、貯蔵様式に関する研究

作物における鉄の獲得、貯蔵様式に関する研究

 人体では鉄のリサイクル系が確立されており、一般的な成人が一日に必要とする鉄の量は1-2 mg程度です。しかし、開発途上国のみならず先進諸国においても鉄欠乏性貧血の罹患者は、若年層の女性を中心に多く存在しており、食餌からの鉄分摂取量の増加は食料科学に課せられた地球規模での課題と考えられます。食肉など動物由来のタンパク質源は良質な鉄の供給源であるヘム鉄を多く含んでいる半面、植物由来の食品と比較して、生産コストが大幅に高いという欠点があります。ダイズ種子は主要作物の中でとりわけ鉄含有量が高く、その高い鉄含有量には鉄貯蔵タンパク質フェリチンが深くかかわっています。現在、ダイズ種子におけるフェリチン鉄の寄与を調べるとともに、フェリチン鉄の鉄源としての有用性を明らかにする研究に着手しています。

 フェリチンは細菌、植物、動物などほぼすべての生物種に存在するタンパク質で、細胞内における鉄の格納庫として機能しています。このタンパク質は相同な24個のサブユニットからなる、対称性に富んだ中空のボール状をした多量体を形成しています。この美しくも奇妙な構造物の中に、どのように数千にも及ぶ鉄原子をため込むのか?現在、植物、動物、海藻などからフェリチン遺伝子を単離し、X線結晶構造解析による立体構造解析と生化学的手法による機能解析を行っています。フェリチンにおける鉄貯蔵機構は生物種を超えて共通するのか、独特の機構が存在するのか?興味は尽きません。

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